球磨中央高校の挑戦 ― 学生がつくる地元発アイスクリームプロジェクト
熊本県錦町にある球磨中央高校では、授業の一環として「商品開発から販売まで」を実際に体験するユニークな取り組み、「チャレンジショップ」が進められています。
チャレンジショップとは、令和3年からはじまった錦町の地域活性化を高校生がおこなう取り組みです。
よかもーるでは、地域のために取り組む球磨中央高校と協同でアイスクリームを販売するプロジェクトを進めています。
今回取材したのは、地元の特産フルーツを使ったアイスクリームの商品化プロジェクトについて。詳しくお話を伺ってきました。
チャレンジショップは単なる学校内の学習活動にとどまらず、地域の農家や企業、流通や小売店とも連携し、実際に販売までおこなっている本格的な取り組みです。
この記事では、開発のきっかけから現在の販売状況、そして生徒たちが得た学びまでをご紹介します。
地域の特産を生かした商品をつくりたい
きっかけは、錦町が誇る「フルーツの里」という地域資源でした。
町の特産を生かした商品を作りたいという思いから、最初のアイデアは「フルーツを使ったスイーツ」。
外部コンサルタントや地元企業のアドバイスを受けながら、生徒たちは「アイスクリームなら親しみやすく幅広い世代に楽しんでもらえる」と考え、方向性を定めてきました。
協力を依頼したのは、錦町にある人気の韓国料理店「市房食堂」さん。
韓国料理の食後にフルーツのデザートという掛け合わせから、
- マッコリを使ったアイス
- フルーツアイス
の試作が始まりました。
しかし試食を重ねる中で、マッコリは風味が強すぎて果物の香りが生かせないという課題に直面。
議論の末、「地元で人気のイチゴを使ったアイス」へ方向転換しました。
生徒の発想から生まれたフレーバー
実際の商品化にあたっては、OEM製造に対応できる食品メーカーさんとの連携が欠かせません。
100個単位という小ロット生産を生かし、生徒のアイデアを次々と試作しました。
- イチゴ × 黒蜜のアレンジ
- 緑茶を取り入れた大人向けフレーバー
- 桃を使った爽やかなアイス
特にイチゴアイスは、生徒たちが「自分たちの地元の農家さんが育てたイチゴを使いたい」と強く希望。
実際に農家を訪れて仕入れ交渉まで行い、地域産のイチゴを直接仕入れることに成功。
「町の農産物が商品になる」という感動の瞬間でした。
販売の現場に立ち、学ぶこと
完成したアイスクリームは、「イチゴマッコリアイス」と「コーン茶アイス(黒蜜入り)」。
私も実際に食べましたが、どちらも個性が際立ち、本当に美味しい商品でした。
販売は地元の道の駅や飲食店からスタート。
さらに、生徒が実際に店頭に立って試食販売も経験しました。
例えば熊本市内のスーパー「ハローデイ桜の森店」では、
- 1日で375個販売
- 売上 約15万円
という成果を記録。
価格がやや高めにも関わらず「美味しい!」と複数購入される方も多く、生徒たちが味の評価を肌で感じ、自信につながった瞬間でした。
また、県外の展示会「フードライフフェア」ではバイヤーに直接プレゼンを行い、商談成立につながったケースもありました。
生徒の成長と進路への影響
この取り組みは、生徒たちの将来にも大きな影響を与えています。
インタビューでは「将来は地域を盛り上げる仕事に携わりたい」と夢を語る学生も。
商品開発だけでなく、価格設定・ロット数・流通経路といった難しい課題にも挑戦し、地域の大人や企業に支えられながら一歩ずつ学びを積み重ねています。
先生は「生徒たちが自分の夢を具体的に描けるようになったことが一番の成果」と語ります。
地域とともに広がる可能性
現在は地元を中心に販売されていますが、よかもーるから全国へ販路拡大計画が進行中!
このプロジェクトは単なる「学校の授業」にとどまらず、地域と企業、生徒が一緒になって挑戦するとっても意義がある取り組みだなと思いました。
取材を終えて
今回の取材で印象的だったのは、生徒たちの「自分たちのアイデアを形にしたい」という真っ直ぐな気持ちと、それを全力で支える先生や地域の方々の存在でした。
想いが商品として形になるまでには、何度も試作を重ね、議論し、時には失敗から学ぶ経験がありました。
生徒さんからは、その経験を通じて「近い将来の就職活動や社会人としての活動にも活かしたい」という意欲が伝わってきました。
よかもーるとしても、想いが詰まった商品を全国へ届けられることが楽しみです。
「地域を知り、地域と一緒に学ぶ」。そんな実践的な教育が、球磨中央高校から着実に広がっています。