みかんの木とともに生きる ― 熊本の畑から
みなさんこんにちは。よかもーるスタッフの和田です。
先日は熊本県の上三柑橘さんにお邪魔して、よかもーるで大人気の「上三みかん」についてお話を伺ってきました。
私の祖父がみかんを栽培していた農家だったとはいえ、みかんに関してド素人。
以前、みかんを通信販売する会社とお仕事を長年してきましたが、みかんの栽培についてはほとんど何も知らなかったためこの日を楽しみにしていました。
木を整える ― 次の実りのために
上三みかんが栽培されている山は、熊本市街地から車で30分あまり、市内が一望できる山の上にあります。
寒暖差が激しいこの山で、たくましく成長するみかん。この環境は美味しいみかん作りに欠かせない環境です。
私が伺ったのは10月の後半。収穫時期でお忙しいタイミングでしたが快く様々なお話を伺うことができました。
収穫に向けて、みかんの木は2月と9月がとっても大切な時期。
この時期に枝を切ったり、剪定をおこない次の実りに備えます。
みかんの木も赤ちゃんを産んだ「お母さん」のように身体をしっかり休める時間が必要とのこと。
実をつけた後はしっかり休ませてあげることで、また元気に実をつけてくれます。
枝の伸ばし方にもこだわり~上に伸ばさない~
多くの農家さんは、下に伸びる枝を切って、上に上に枝を伸ばすように整えます。
ですが、上三柑橘さんでは「枝が上に伸びないように」あえて剪定をされているそうです。
なぜなら、みかんの木を上に大きくなろうとすると木に栄養を使われてしまい、狙っているみかんの味にならないそうです。
木が大きくなりすぎると高所による作業で重労働となります。木を高くしないことで作業の効率も上がりみかんも美味しくなるとのことでした。
そのため、上三柑橘さんのみかんの木は、みかんがすぐ手が届く位置にある可愛い低身長。
木の高さを保ちながら、作業のしやすい樹形になるように育てられています。
自然と共に ― 鳥やイノシシ達との付き合い方
当たり前ですが、農園にはたくさんの天敵と隣り合わせ。
農家さんのお仕事は、木を守るために日々の見守りも欠かせません。
例えば、みかんの木に、まとわりつく”つる草”。
つる草は木に絡まると生育の邪魔をしてしまいます。見つけたらすぐに外してあげます。
もちろん他の草もどんどん生えてきますが、除草剤は使いません。
あえて除草剤を使わずに園地に雑草を残し、猛暑や強い日差しから樹が生える地面を守っています。
そのため夏場に数十回草刈りをしています。
上三柑橘さんの農園は、他の園地と比べて農薬を極力使わないようにしています。
そして、虫たちとの共存も考えないといけません。
たとえば「かみきり虫」が木に入り込むと、あっという間に木が枯れてしまうそうです。
おいしいみかんは、鳥たちも知っています。
彼らは本能的に「食べごろ」を見分けて食べにやってきます。
そして、イノシシ対策。
畑にずらっと並べられたコンテナ。
これを置くことで、イノシシが農園に入りにくい構造にしているそうです。
木の上から甘くなる“薄皮で食べやすい”みかん
みかんは木の上の方から甘くなっていきます。
日当たりの良い場所ほど、自然の恵みをたっぷり浴びるからです。
収穫したみかんは、すぐに食べるよりも4〜5日ほど置いておくと、
酸味が落ち着き、まろかでやさしい味わいになるそうです。
上三みかんの特徴は「皮がうすい」こと。
手でスッとむけるので、皮むきがとっても簡単。
上三みかんの特徴は、皮がうすく、食べやすく、やさしい甘さです!
その理由は、 極力農薬や肥料を与えすぎません。
栄養を与えすぎるとみかんの樹や果皮はどんどん発育してしまいます。これは人間でいうとメタボと同じ状態になってしまい理想のみかんの状態や味にはなりません。
そして、摘果もしません。
あえて樹にストレスをかけることで、樹や果皮に余分な栄養が使われないことで、小ぶりで果皮は薄く理想のみかんの味になります。
その反面、樹は虫や病気などの影響を受けやすくなるため、こまめな手入れが必要不可欠になります。
大変ではありますが、さまざまな創意工夫が他とは違うみかんの味に反映されているなと感じました。
皮がうすい上三みかんを、北海道などの遠くに出荷すると、
配送中にみかんがたくさん箱の奏で揺られてしまうため、皮に傷がついたり割れてしまったりしてしまうそうです。
関東から上の地方の方は、そうした理由で、なかなか召し上がれる機会が少ないかもしれません。
収穫のタイミング。とっても重要。
みかんを美味しく食べようと思うと、収穫作業をギリギリまで待って完熟に甘くなるまで待つこと。
ですが天候や害虫、鳥などのリスクも増えてしまいます。
だからこそ、農家さんは毎年悩みながらも最適な時期を見極めています。
「熊本のみかんはおいしい」と言われたい。
熊本のみかんを全国へ、和歌山や愛媛などみかんの産地と肩を並べたいと挑戦されています。
特に、子どもの頃に食べた「おいしい記憶」は、一生心に残るものだから、小さなお子さんたちにこそ食べてほしい。
そんな想いを胸に、ひとつひとつの実を大切に育てています。
おわりに
今回の取材で、昔から受け継がれてきた製法を守り、小さいころに聞いたみかん作りの知恵や考え方を今も大切にされていました。
もちろん新しい挑戦や、アイデアも取り込みながら、“自分たちでしか作れない“みかんの味を作られていて実際に食べてみて実感することができました。
私、この日が人生で一番多くのみかんを食べさせてもらった日になりました(笑)
そして、あらためてみかん作りは、自然との対話なのだなと感じました。
最後に、教えていただいたアイデアで”なるほど”と感じたのは、
日焼けしてしまったみかんの皮に、
日が当たらないようにみんなで手分けしてテープを貼ってあげるそうです。
テープの中を見てみると、傷ついていたみかんの皮もなんと綺麗に回復しています。
そんなやさしさや工夫が、畑にはたくさん息づいていました。
自然と共に生きるみかん作り。
ひとつのみかんに込められた想いを、ぜひ味わってみてください。
上三みかんの商品情報はこちら
今年も販売開始!甘くて美味しい“上三みかん”を熊本から直送します